ついつい言いがちだが、言い過ぎ注意
子どもにお金のことを伝えたい。 そう思っているのに、気づくと口から出るのは、
- お金は大事だよ
- ムダ遣いしないで
- あとで困るよ
みたいな強めの言い方だったりします。私自身いつも使っている自覚があります。
親としては、もちろん心配しているからこそです。 でも子ども側からすると、「大事」という言葉が何度も重なると、節約の話というより、お金は足りなくなったら怖いものという空気として届くことがあります。
お金を大切にすることと、お金を不安の対象にしてしまうことは、似ているようで少し違います。 この記事では、節約や貯金の是非ではなく、伝え方が子どもの安心感にどう影響するかを見ていきます。
節約の話が、安心感を削っていないか
節約や貯金を教えること自体は、とても大事です。 ただ、子どもに伝えるときに気をつけたいのは、守るための話が「足りない怖さ」の話になっていないか、です。
たとえば、こんな言い方が続くと少し重くなります。
- そんなもの買ってたらお金なくなるよ
- 今使ったらあとで困るよ
- ちゃんと貯めないとダメだよ
親としては現実的な注意のつもりでも、子どもには「今あるお金は、かなり慎重に扱わないといけないもの」と伝わりやすいです。 すると、お金を使うことそのものが不安になったり、必要なときに相談しづらくなったりします。
わが家でも、長女は少しムダ遣いが多いタイプなので、見ていて気になることはあります。 たとえば、お小遣い1000円のうち、目の前のお菓子やちょっとした雑貨にすぐ使ってしまって、「もう少し残しておけばよかった」と後から気づくこともあります。 ただ、そのたびに強く言いすぎると、「どうせまた怒られる」と感じて、お金の話そのものを避けるようになるかもしれない。そこは迷うところです。
節約や貯金を教えるときは、「使うな」よりも「どう使うか」を一緒に考える視点が大切です。 子どもに残したいのは、節約の正しさよりも、見通しと安心感です。
子どもに残したいのは「不安」より「見通し」
お金の教育で大事なのは、節約の正しさを覚えさせることだけではなく、 今はこう使う、あとでこう残すという見通しを持てるようにすることだと思います。
見通しがあると、子どもは安心しやすいです。 逆に、見通しがないまま「大事にしなさい」だけが増えると、気持ちは締めつけられやすくなります。
たとえば、わが家ならこんな言い方のほうが少しやわらかいです。
- 今すぐ全部使わなくても、少し残しておく考え方もあるね
- 今回は買う、でも次はまた考える、でもいいよ
- お金がなくなるのがこわいなら、先に分けておくのもありだね
こういう言い方だと、子どもは「使うな」ではなく、どう扱うかを考える方向に進みやすい気がします。
年齢で伝え方を変える
長女のように、少し考える力がついてきた年齢なら、禁止よりも見通しのある会話のほうが合うことがあります。 一方で、次女のような年齢には、まだ細かい説明は要りません。
- これは今は買わないよ
- これはお金がいるものだよ
くらいで十分なことも多いです。 年長の子がスーパーやコンビニで「これ買っていい?」と聞いてくることはありますが、まだ幼稚園児の次女に対しては、お金の細かい話をしてもすぐには結びつきません。 大切なのは、説明を増やすことより、不安をあおらないことだと感じています。

こんな場面では、言い方を少しゆるめたい
お金の話が不安につながりやすいのは、子どもがすでに少し気にしている場面です。
たとえば、こんなときです。
- 欲しかったものを買えなかったとき
- お小遣いが減ってしまったとき
- 親が「高い」と何度も言ってしまったとき
- 家で節約の話が続いたとき
- お祭りや縁日で、欲しいものを全部は買えないとき
- スーパーでお菓子を一つ選ぶのに、何度も迷っているとき
このときに、さらに
- 無駄づかいしないで
- 今は我慢だよ
- そんなの買わなくていいでしょ
を重ねると、子どもは「お金の話=自分が責められる話」と感じやすくなります。
わが家の振り返りでは、事実を先に見る
わが家では、長女に月1000円のお小遣いを渡していて、使った日付・用途・金額をメモして振り返っています。 たとえば、コンビニでお菓子を買った日、文房具を選んだ日、ガチャガチャを一回だけ回した日など、あとから見返すと「ここで使ったんだな」と分かるようにしています。
ただ、その振り返りも、反省会にしすぎないように気をつけています。
たとえば、
- この日はお菓子を買ったんだね
- この日は文房具だったね
- ここは残せたね
- 次は先に残す分を決めてみる?
というふうに、まずは事実を並べる。 そのあとで、必要なら「次はどうする?」を一緒に考える。
使いすぎたところだけを見ると、子どもも気分が沈みやすいです。 だから、よかったところもひとつは拾うようにしています。
「ダメ」を言う前に、少し言い換えてみる
親はつい、急いで結論を出したくなります。 でも、お金の話は、結論より先に言い方を少し整えるだけで、子どもの受け取り方が変わります。
たとえば、
- ダメ、やめなさい
- そんなの買わないの
の前に、こんな言い換えを挟むだけでも違います。
- それを買うと、あとでどうなるかな
- 今の気持ちはわかるけど、少し考えてみようか
- 今日は買わないけど、次に残しておくのはどう?
- 今すぐ決めなくてもいいよ
お祭りで屋台を見て気持ちが高まっているときや、遠足前のおやつ選びでテンションが上がっているときは、どうしても「今ほしい」が強くなります。 そんなときに、いきなり禁止だけを出すより、一度気持ちを受け止めてから話したほうが、子どもも落ち着きやすいです。
ポイントは、禁止をゼロにすることではありません。 いきなり不安をぶつけないことです。

言いすぎたと思ったら、戻せばいい
実際には、親が一度も言いすぎないのは難しいです。 わが家も、きっと何度もあると思います。
たとえば、スーパーで長女が「これも欲しい」と立て続けに言ったとき、こちらもつい「また?」「今日はやめて」と強めに言ってしまうことがあります。 そんなときは、あとから戻せばいいのだと思っています。
- さっきはちょっと強く言いすぎたかも
- お金のことを大事に思っているからこそ、心配になったよ
- 使うこと自体が悪いわけじゃないよ
- 何に使うかを一緒に考えたいんだ
こういう言い直しは、親の失敗を見せることにもなります。 でも私は、悪いことではないと思っています。
お金の話を、正解を押しつける話にしないためにも、 言い直していいという空気があるほうが、子どもは安心しやすいからです。
強い言い方をしたあとに放置すると、子どもは「お金の話=怒られる話」と結びつけやすくなります。 言いすぎたと感じたら、あとから短く言い直すことが大切です。
今日からできるのは、「禁止」をひとつ減らすこと
すぐに大きなことを変えなくても大丈夫です。 今日からできることをひとつだけ挙げるなら、私は禁止の言い方をひとつ減らすことかなと思います。
たとえば、
- ダメ、やめなさい
をいきなり使う前に、
- それを買うと、あとでどうなるかな
- 今の気持ちはわかるけど、少し考えてみようか
- 今日は買わないけど、次に残しておくのはどう?
と、一度だけ言い換えてみる。
それだけでも、子どもが受ける印象は少し変わります。
もちろん、何でも好きにしていいという話ではありません。 使いすぎを見守る必要もあるし、家庭のお金に限りがあるのも事実です。 都内で賃貸暮らしをしていると、家賃や生活費の重さもあるので、親としてはなおさら「無駄なく使いたい」と思う場面があります。 ただ、その事実を伝えるときに、子どもの安心感まで削らないことは意識したいところです。
お金の話は、こわさより見通しを残す
「お金は大事」と伝えること自体は間違っていません。 ただ、言い方が強くなりすぎると、子どもには大事さではなくこわさとして届くことがあります。
親としては、節約や貯金を教えたい。 でもその目的は、子どもを不安にさせることではなく、自分で考えられる安心感を持たせることのはずです。
わが家でも、まだ迷いながらです。 それでも、子どもが「お金の話はこわくない」と思えるように、少しずつ言い方を整えていきたいです。

