友達に見せたくて買う「見栄消費」、子どもにはどう見せる?好きと見られたいの境目を考える

お金の教育

「欲しい」が、もう少し細かく分けられると気づく

子どもが何かを欲しがるとき、理由はひとつではないなと思います。

本当に好きだから欲しいこともあれば、友達に見せたい、うらやましがられたい、仲間に入りたい、そんな気持ちが混ざっていることもあります。親としては、その気持ちを頭ごなしに否定したいわけではないけれど、「それは買う理由としてどうなんだろう」と立ち止まることがあります。

わが家でも、長女が「みんな持ってるらしい」「これがあると見せられる」といった言い方をすると、少し考えます。

昨今世間で大流行を見せている「シール帳」関連がまさにそれです。

8歳だと、まだ「好き」と「見られたい」がかなり近いところにあるからです。 お小遣いは月に1000円で、使った日付や用途、金額をメモして振り返るようにしているのですが、こうした記録を見ながら話すと、そのときの気持ちも整理しやすい気がしています。

大人でも、ブランド品、話題のスニーカー、流行のガジェット、キャラクターグッズなどで、少しは「人からどう見えるか」を意識することがあります。子どもの見栄消費は、その気持ちがもっと素直に出る感じかもしれません。

だからこそ、見栄っぽい気持ちを一律で悪いものとして扱うより、まずは「何が欲しいのか」ではなく「なぜ欲しいのか」を見るほうが、家庭では話しやすいと思います。

見栄消費は、好きな気持ちと混ざりやすい

見栄消費というと、ただ「見せびらかしたいだけ」に聞こえるかもしれません。 でも実際は、そんなに単純ではありません。

たとえば、子どもが流行の文房具や小物を欲しがるとき、こんな気持ちが同時にあることがあります。

  • デザインが好き
  • 友達と話題を合わせたい
  • 持っていると安心する
  • 人に見せるとうれしい

どれも、完全に間違いではありません。 ただ、どれが一番大きいかで、その買い物の意味は変わってきます。

わが家では、長女のお小遣いの範囲で買うものについて、買う前に「何に惹かれているのか」を少しだけ言葉にしてもらうようにしています。すでに使った日付・用途・金額をメモする習慣があるので、あとから振り返るときに、買う前の気持ちも見えやすいからです。

たとえば、同じ「欲しい」でも、次のように分けて考えられます。

  • 形や色が本当に好き
  • 友達に見せたい気持ちが大きい
  • なんとなく持っていないと不安

この3つは、どれも買う動機になり得ます。 でも、後から「思っていたのと違った」となりやすいのは、見られたい気持ちが中心だったときかもしれません。

ブランド品や流行グッズで起きやすいこと

見栄消費は、子どもだけの話ではありません。 大人も、ブランド品や流行グッズに心が動くことがあります。

たとえば、財布、バッグ、スニーカー、文房具、話題のゲーム機、キャラクターもの。 「品質がいい」「長く使えそう」という理由もある一方で、「持っていると気分が上がる」「人に見せたくなる」が混ざることは珍しくありません。

それ自体を、すぐに悪いとは言い切れません。 ただ、見られたい気持ちが強すぎると、買った瞬間だけ満たされて、そのあと気持ちが落ち着いてしまうことがあります。

子どもにとっても同じで、友達に見せることが目的になりすぎると、実際に使う場面ではあまり満足できないことがあります。 「持っていること」がうれしいのか、「使うこと」がうれしいのかで、買い物の意味が変わるからです。

注意点
見られたい気持ちが強すぎると、買った瞬間だけ満たされて、そのあと気持ちが落ち着いてしまうことがあります。

わが家なら、こういう言い方をするかもしれません。

「それが好きなのはいいね。 でも、友達に見せたい気持ちが大きいなら、一回考えてからでもよさそう。」

ここで大事なのは、買うなと止めることより、理由を見直す時間を作ることです。

「好き」と「見られたい」を分けて聞く

見栄消費を考えるとき、親がやりがちなのは「それって見栄でしょ?」と決めつけることだと思います。 でも、それだと子どもは反発しやすいですし、本音も言いにくくなります。

それより、確認する感じで聞くほうが、家庭では続けやすいと思います。

たとえば、こんな聞き方

  • 「それのどこが好きなの?」
  • 「家で使いたい気持ちと、友達に見せたい気持ち、どっちが大きい?」
  • 「持っていたらうれしいのは、使うから? それとも見せたいから?」
  • 「同じようなものが家にあっても欲しい?」

この聞き方だと、子どもを責める感じが少し減ります。 「見せたい」と言ったから悪い、ではなくて、欲しい気持ちの中身を一緒に見る感じです。

長女のように、お小遣いのやりくりをしている子なら、こうした確認だけでも買い物の質が変わります。限られた1000円の中で、何を優先したいのかが見えやすくなるからです。

家の中での見せ方は、親も少し意識したい

子どもは、親のお金の使い方を思った以上に見ています。 なので、こちらが「見た目が気に入ったから買った」と話すことも、まったくないわけではありません。

ただ、そのときに「見せたいから買う」だけではなく、何が理由なのかを分けて見せると、子どもも考えやすい気がします。

たとえば親の買い物でも、

  • 見た目が好き
  • 機能が必要
  • 長く使いたい
  • 気分が上がる

このあたりは混ざっています。 大人だって、きれいに理屈だけで買っているわけではありません。

だから子どもにも、「見られたい気持ちがあるのは普通だよ」と伝えつつ、買う理由としてどれが大きいかを一緒に見る。 そのほうが、押しつけになりにくいと思います。

わが家でも、長女が何かを欲しがったとき、まず値段の話だけをするのではなく、「何が気に入ったのか」を聞くようにしています。 お金の話というより、欲しい気持ちの内訳を見ている感じです。

年齢が違うと、聞き方も変える

見栄消費を考えるときは、子どもの年齢差も大きいです。

長女のような小学生なら

ある程度、理由を言葉で分けて考えられます。 なので、

  • どうして欲しいのか
  • 誰に見せたいのか
  • 使う場面があるのか

を聞くと、考えるきっかけになります。

次女のような幼い子なら

まだ「見られたい」と「好き」の区別はかなりあいまいです。 なので、詰めるよりも、短く確認するくらいで十分です。

  • 「ほんとうに好きかな?」
  • 「おうちで使いたいのかな?」
  • 「見せたいのかな?」

答えを正確に引き出すことより、考える習慣の入口を作るイメージです。 5歳に「見栄消費」を理解させる必要はありません。むしろ、親のほうが気づいて、言葉を少し整えてあげるほうが自然だと思います。

ポイント
答えを正確に引き出すことより、考える習慣の入口を作るイメージです。

今日からできる、見栄だけで決めないための工夫

見栄消費をゼロにするというより、「見栄だけで決めない」ようにする。 わが家では、そのくらいの感覚がちょうどいいのかなと思います。

1. 欲しい理由を3つに分ける

  • 好きだから
  • 使いたいから
  • 見せたいから

この3つのうち、どれが一番大きいかを考えるだけでも、買い物の見え方が変わります。

2. 1日置いてみる

その場の勢いで欲しくなったものは、翌日も同じ気持ちか見てみる。 長女のお小遣いのように、自分のお金で買うなら特に効きます。

3. 誰に見せたいのかを聞く

見せたい相手がはっきりすると、欲しい理由が見えてきます。 友達なのか、クラスで目立ちたいのか、それとも自分がうれしいのか。

4. 使う場面を想像する

家で使うのか、外で見せたいのか。 もし使う場面があまり思い浮かばないなら、見た目の魅力が大きいだけかもしれません。

こうして見ると、見栄消費は完全に避けるものというより、欲しい気持ちの中にある一つの要素です。 大事なのは、その要素に自分で気づけることだと思います。

「見せたい」を責めずに、買う理由を育てる

子どもが「友達に見せたい」と言ったとき、親としては少し迷います。 その気持ちはわかるけれど、お金の使い方としてはどうなんだろう、と。

でも、そこで終わらせずに、欲しい理由を一緒に見ると、見栄消費は価値観の勉強になります。

  • 何が好きなのか
  • 何を人に見せたいのか
  • それは買う理由として強いのか
  • 買ったあとも使いたいと思えそうか

このあたりを、家庭で少しずつ考えられるとよさそうです。

わが家でも、長女には「欲しいものを買う前に、自分は何にお金を使いたいのか」を少しずつ考えてもらえたらと思っています。 まだ8歳なので、きれいに答えられなくて当然です。親のほうも、正解を持っているわけではありません。

それでも、見られたい気持ちがあるのは自然なこと。 だからこそ、子どもには「それ、本当に好き?」と立ち止まる入口を渡しておきたいなと思います。