子どもがお金で失敗した(失敗したと思う)とき、親のほうがざわっとすることがあると思います。
「だから言ったのに」と言いたくなる日もあるし、見ていて少しがっかりすることもある。 わが家でも、長女のお小遣いの使い方を見ていて、つい口を出しそうになることはあります。
でも、失敗した直後って、いちばん大事なのは説教よりも順番かもしれません。 親が最初にやることを3つに分けると、少し落ち着いて見やすくなります。
1. まずは事実だけを分けて見る
子どもが失敗した直後は、気持ちの話と事実の話が混ざりやすいです。 たとえば、長女が「これ、思っていたのと違った」と言ったとき、親の頭の中ではすぐに
- なんで確認しなかったの?
- 前にも似たことがあったよね
- またムダ遣いじゃない?
までつながってしまうことがあります。
でも、最初にやりたいのは原因探しより先に、何が起きたかをそのまま並べることだと思っています。
たとえばこんな感じです。
- いつ買ったの?
- いくらだったの?
- 何が思っていたのと違ったの?
- 買う前はどう見えていたの?
このとき、親が先に結論を決めないほうが話しやすいです。 「またムダ遣いしたんでしょ」とまとめてしまうと、子どもは説明する気をなくしやすいからです。
わが家でも、長女のお小遣いを振り返るときは、まず日付・用途・金額を見ます。 そのうえで「買ったときはどう思った?」「今はどう感じている?」と順番に聞くようにしています。
ここで大事なのは、事実を確認することが目的であって、裁判みたいに白黒つけることではない、という点です。 親も少し落ち着いて、何が起きたかを見られると、その後の声かけがかなり変わります。
事実確認で見るポイント
| 見るポイント | 内容 |
|---|---|
| 何を買ったのか | 具体的に買ったものを確認する |
| いくら使ったのか | 金額を確認する |
| 何を期待して買ったのか | 買う前のイメージを確認する |
| 実際にはどこが違ったのか | 思っていたとの差を確認する |
この4つが見えるだけでも、失敗の正体がかなり分かりやすくなります。
2. 気持ちを先に受け止める
失敗の直後は、子ども自身も少し落ち込んでいることがあります。 そこで親がすぐに正しさを押しつけると、子どもは「失敗したこと」より「怒られたこと」のほうを強く覚えてしまうかもしれません。
だから2つ目は、気持ちを分けて受け止めることです。
たとえば、
- 残念だったね
- 思っていたのと違ったんだね
- 楽しみにしてた分、がっかりしたのかもね
くらいの短い言葉で十分なこともあります。
ここで長く説教しなくても、子どもはちゃんと聞いています。 むしろ、親が気持ちを言葉にしてくれると、自分でも状況を整理しやすくなるように感じます。
わが家の長女は、買ったあとに「なんかちがったかも」と言うことがあります。 そのときにすぐ「だからやめなさいって言ったでしょ」と返したくなるのですが、いったん
- そう思ったんだね
- どこがちがった?
と返すだけで、その後の会話が少し進みやすくなります。
次女のような幼い子なら、もっと短くていいはずです。 「がっかりしたね」「おしまいにしようか」くらいでも、十分伝わることがあります。
親としては、失敗したときほど教えたくなるのですが、感情がまだ動いている場面では、まず“聞いてもらえた”が残るほうが大事なのかもしれません。
3. 次回の工夫は、ひとつだけに絞る
3つ目は、次にどうするかを一緒に1つだけ決めることです。 ここで一気に改善しようとすると、だいたい続きません。
たとえば、よくあるのはこんな失敗です。
- 安いから買ったけど、あまり使わなかった
- 見た目で選んだけど、家に似たものがあった
- その場で欲しくなって、考える前に買った
- 使う場面を想像しないまま決めてしまった
このときに親が「今度はもっとよく考えて」とだけ言っても、子どもには次の行動が見えにくいです。 なので、できればひとつだけ、具体的な止まり方を決めます。
たとえば、
- 次は買う前に、家にあるか聞いてみよう
- 欲しくなったら、いったん写真だけ撮ろう
- 今日はすぐ買わずに、帰ってから考えよう
- 迷ったら、その日は一度やめよう
くらいで十分です。
わが家でも、お小遣いで何かを買ったあとに「次はどうする?」と聞くことがあります。 このとき、あれもこれも反省点を並べないようにしています。 反省が多すぎると、子どもは“また失敗するかも”のほうに気持ちが引っぱられる気がするからです。
失敗を学びに変えるには、次の一手が小さいほうがいい。 これは親のほうにも言えることで、私自身もつい「全部ちゃんとさせたい」と思ってしまうので、毎回そこを意識しています。
次回の工夫の例
- 買う前に家に同じようなものがあるか確認する
- 欲しい気持ちが強いときは写真だけ撮る
- その日は買わず、家で一晩おく
- 「使う場面が言えたら買う」にする
叱る前に、親の中で分けておくと楽になる
子どもの失敗に向き合うとき、親の中では3つがごちゃまぜになりやすいです。
1. 事実 2. 気持ち 3. 次の工夫
この3つを分けずに話し始めると、だいたい説教っぽくなります。 逆に、最初に分けておくと、短い会話でも整理しやすいです。
たとえば、
- 何があったか教えて
- それは残念だったね
- じゃあ次はどうする?
この流れだけでも、子どもにとってはかなり違うはずです。
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。 親だって疲れている日はありますし、余裕がないときに落ち着いて聞くのは難しいです。 そこはかなり現実的で、わが家も完璧にはできていません。
それでも、失敗直後に“責める”より“分ける”を意識するだけで、後味はかなり変わります。
わが家で意識しているのは「結論を急がないこと」
親の立場だと、失敗を見るとすぐに「これは良くなかった」と言いたくなります。 でも、子どもの失敗は、すぐに一言で片づけるより、少し分けて見たほうが学びになりやすいです。
わが家では、長女のお小遣いの使い方を見返すときも、たとえば
- 何に使ったか
- そのとき何を期待したか
- 実際にどうだったか
- 次は何を1つ変えるか
の順で見ています。
長女は、スーパーやコンビニでお菓子を選ぶときに、あとで「やっぱりこっちにすればよかった」と言うこともあります。 そういうときも、失敗そのものを大きくするより、「次はどう選ぶか」を小さく決めたほうが、本人も納得しやすいように感じます。
大事なのは、失敗を大きくしないこと。 そして、次につながる形に小さく整えることです。
お金の失敗は、ゼロにはできません。 でも、失敗したあとにどう扱うかで、学びになるか、ただ嫌な思い出になるかが変わります。

お金の教育は、親自身の考え方も試される
私自身、親からお金の教育をほとんど受けずに育ちました。 だからこそ、子どもにはちゃんとお金を考えられるようになってほしいと思っています。 その差は、思っている以上に大きいと感じています。
ただ、だからといって最初から完璧に教えられるわけでもありません。 投資や税金を学びながら、「家庭では何をどこまで教えるのが自然だろう」と考えることも多いです。
たとえば、長女にはお小遣い帳のように、使った日付・用途・金額をメモしてもらっています。 その記録をあとで一緒に見ると、「安いと思って買ったけど、似たものが家にあったね」といった話もしやすくなります。 一方で、次女はまだお金のことがよく分かっていないので、無理に理解させるより、日常の買い物を見せながら少しずつ、という感覚です。
親としては、つい教えたいことが増えてしまいます。 でも、子どもがその場で受け取れる量は思ったより少ない。 そこを見誤らないことも、大事なお金教育だと思っています。
今日からできる小さな一言
全部を立派にやろうとしなくて大丈夫です。 今日からなら、こんな一言だけでも十分だと思います。
- まず、何があったか教えて
- 残念だったね
- 次はどうしたらよさそうかな
この3つを、そのまま順番に使うだけです。
もし長女のように、すでにお小遣いを使ってメモを残している子なら、あとで一緒に見返す材料にもなります。 逆に、まだお金の感覚がはっきりしない子なら、もっと短くて構いません。 「そうだったんだね」「次は気をつけようね」くらいで、十分な場面もあります。
親が最初にやることは、失敗を大きくしないこと。 そして、次につながる形に小さく整えること。 そのほうが、子どもも自分の失敗を話しやすくなる気がしています。
失敗を責めないほうが、次の話がしやすい
子どものお金の失敗は、ゼロにはできません。 でも、失敗したあとに親がどう扱うかで、学びになるか、ただ嫌な思い出になるかが変わります。
わが家でも、長女のムダ遣いを見て「うーん」と思うことはあります。 ただ、そのたびに思うのは、失敗そのものより、失敗したあとに話せるかどうかのほうが大事だということです。
- 事実を確認する
- 気持ちを受け止める
- 次回の工夫をひとつ決める
この順番を意識しておくと、親も子も少し楽になります。
完璧にできなくても大丈夫です。 まずは、叱る前に一度だけ立ち止まる。 それだけでも、家庭のお金教育はかなり変わってくるはずです。


