フリーランスを子どもにどう説明する?
子どもに「フリーランスってなに?」と聞かれると、意外と答えに迷います。
「会社に入らずに働く人だよ」と言えば間違いではないのですが、それだけだと少し冷たく聞こえることもあります。 かといって、詳しく説明しようとすると大人向けの言葉が増えて、子どもには遠くなりがちです。
わが家なら、まずはこんなふうに言うと思います。
「会社に毎日行って働く人もいるし、家や外で“このお仕事お願いします”って頼まれて働く人もいるんだよ」 「フリーランスは、その働き方のひとつだよ」
フリーランスを特別な肩書きとして説明するより、 「働き方の形のひとつ」として話すほうが、子どもには入りやすい気がします。
「毎日同じ場所に行く働き方」と「頼まれごとを受ける働き方」
子どもには、「どこで働くか」と「どう仕事を受けるか」を分けて話すと分かりやすいです。
たとえば、会社に毎日行って働く人は、決まった場所やチームの中で仕事を進めることが多いですよね。 一方でフリーランスは、会社に入る代わりに、いろいろな人から「この作業をお願いできますか」と頼まれて働くことがあります。
家の中でたとえるなら、こんなイメージです。
- 毎日同じ机でやる勉強
- その日ごとに「これをお願い」と頼まれるお手伝い
もちろん、勉強と仕事は同じではありません。 でも子どもには、「毎日決まった流れの中でやる働き方」と「そのつど頼まれて進める働き方」の違いとして見せると、少しつかみやすくなります。
わが家でも、私自身が一人法人でIT系の仕事をしているので、子どもから見ると少し見えにくい働き方かもしれません。 家でパソコンに向かっている姿だけだと、何をしているのか分かりにくいので、たとえば「今日はこういう依頼を受けて進めていたよ」と短く話すようにしています。
細かい専門用語までは不要で、子どもには “誰かに頼まれて動く仕事なんだ” くらいで十分かなと思っています。
自由なところもあるけれど、何でも自由ではない
フリーランスというと、子どもは「好きなときに遊べる人?」みたいに思うかもしれません。 そこは少し補足したくなります。
フリーランスには、自由に見える部分があります。 たとえば、
- どんな仕事を受けるか
- どう進めるか
- どの順番でやるか
を、自分で決める場面が増えます。
ただ、そのぶん全部が自動で決まるわけではありません。
- 仕事を取ること
- 締め切りを守ること
- 連絡を返すこと
- 売上が安定しない時期もあること
こういう面は、親として少しだけ触れておくと、働き方が立体的になります。
とはいえ、子どもに不安を与えすぎる必要はありません。 「自由なところもあるけど、ちゃんと約束も守る必要があるんだよ」くらいで十分かもしれません。
わが家なら、こんな会話になりそうです。
「フリーランスって、好きな時間にぜんぶ自由なの?」 「自由なところもあるけど、頼まれたことをちゃんと守るのが大事なんだよ」 「じゃあ楽そう!」 「楽なときもあるかもしれないけど、自分で考えることも多いんだ」
よいところだけを強調しすぎず、やることもあると伝えるほうが、あとで誤解しにくいと思います。
子どもの生活に近い例で話すと伝わりやすい
フリーランスの説明は、暮らしの中の小さな場面に置きかえると伝わりやすいです。
たとえば、こんな仕事があります。
- 写真を撮る人が、頼まれて撮影する
- 文章を書く人が、記事を書く
- デザインする人が、お願いされたものを作る
- 動画を編集する人が、必要に応じて作業する
子どもには仕事の種類を全部理解させる必要はありません。 「自分で用意した道具や場所で、依頼されたことを進める働き方なんだね」 とつかめれば十分です。
家の中で話すなら、たとえばこんな言い方もできます。
「お店の人が自分のお店で売るのとは少し違って、フリーランスは“この作業をお願いします”って頼まれて動くことが多いよ」 「だから、毎日同じ場所に行くとは限らないんだ」
長女くらいの年齢だと、「へえ、会社じゃないんだ」とまず驚くかもしれません。 そのときに、すぐ正解を押しつけず、「いろんな働き方があるんだよ」と返すだけでも十分です。
フリーランスを話すときに、えらい・えらくないにしない
フリーランスの話は、気をつけないと「会社員とどっちが上?」という方向にずれやすいです。 でも、子どもに伝えたいのはそこではありません。
大事なのは、働き方の形が違うことです。
- 会社に入ってチームで働く形
- 個人で頼まれごとを受ける形
どちらにも、向き・不向きや、安心しやすさ、考えることの多さがあります。
親としては、ここで少し迷います。 「自由そうでいいね」とだけ言うと軽く聞こえるし、 「大変だからやめたほうがいい」と言うと、子どもの選択肢を狭めてしまいそうです。
なので、わが家ならこんなふうにまとめると思います。
「働き方はいろいろあるんだよ」 「毎日会社に行く人もいれば、頼まれた仕事を家で進める人もいるんだよ」 「どっちが上じゃなくて、やり方が違うんだ」
このくらいの温度感が、子どもにはちょうどいいのかもしれません。
家で言いやすい、短い説明のしかた
フリーランスを説明するとき、特別な時間を作る必要はありません。 ふだんの会話に少し入れるくらいで十分です。
1. 「頼まれて進める仕事なんだよ」と一言足す
子どもが「なんのお仕事?」と聞いたら、 「人から頼まれたことを、自分で進める働き方だよ」と短く返す。
2. 家事と仕事を混ぜすぎない
家事は家族の役割、仕事は外から依頼を受けること。 ここをごちゃまぜにしないほうが、あとで分かりやすいです。
3. 仕事中の様子を少しだけ言葉にする
パソコンの前にいる姿を見たときに、 「今は頼まれた作業を進めてるよ」とだけ言う。 細かい説明はなくて大丈夫です。
長女との会話なら、たとえばこんなやり取りがありそうです。
「パパは会社に行かないの?」 「行く仕事の日もあるし、家で頼まれたことを進める日もあるよ」 「それってフリーランス?」 「そう。そういう働き方のひとつだよ」
このくらいなら、子どもにも耳に残りやすいと思います。
お金の話につなげるなら、まずは「働いてお金が入る」ことから
わが家ではすでに長女のお小遣い制度を始めています。 月に1000円渡していて、使った日付と用途、金額をメモしてもらい、あとで親子で振り返るようにしています。
こうした家庭内のお金の話をしていると、フリーランスの説明も少しつなげやすくなります。 ただし、最初から「売上」「経費」「税金」まで一気に広げる必要はないと思っています。
子どもにとっては、まず
- 働くとお金が入る
- お金は自動で湧いてくるわけではない
- 仕事の形によってお金の入り方が違う
この3つが分かれば十分です。
長女はムダ遣いが多いタイプなので、今は「どう使ったか」を一緒に見るほうが合っています。 たとえば、コンビニで新しいお菓子を見つけて「これ欲しい」となることはありますし、ガチャガチャに心が動くこともあります。 そういうときに、ただダメと言うのではなく、
- 今日は買うのか
- 次のお小遣いまで待つのか
- ほかに使いたいものがあるのか
を一度考えるだけでも、お金との付き合い方は少しずつ変わります。
フリーランスの話は、子どもに「職業名」を覚えさせるより、まずは次の3つを伝えると分かりやすくなります。
・自分で仕事を受けて進める働き方であること
・会社に毎日行く働き方とは少し違うこと
・お金の入り方や働き方は一つではないこと
フリーランスの話も、結局はここにつながる気がしています。 お金は、働き方や選び方とつながっている。 その感覚を、生活の中で少しずつ伝えていけたら十分かなと思います。
説明しようとしすぎなくていい
フリーランスは、大人でも分かった気になりやすい言葉です。 でも実際には、仕事の受け方も収入の作り方もいろいろで、ひとことで言い切りにくいです。
だからこそ、子どもに話すときは、きれいにまとめすぎないほうがいいのかもしれません。
- 自分で仕事を受けて進める働き方
- 毎日会社に行く働き方とは少し違うこと
この2つが言えれば、まずは十分です。
親のほうも、最初から完璧に説明できなくていいと思います。 私自身、働き方を学びながら、家庭でどう話すかを考えている途中です。
自分は親からお金の教育をほとんど受けてこなかったので、子どもにはなるべく早いうちから、働くことやお金の流れを伝えたいと思っています。 その差は、後から振り返るとかなり大きい気がします。
子どもに聞かれたときに、少し立ち止まって、自分の言葉で返してみる。 それだけでも、働くことの見え方は少し変わるはずです。
フリーランスを伝えることは、ただ職業名を覚えさせることではなく、 「働き方にはいろいろある」 と子どもの目を少し広げることなのかなと思っています。


