「安いほうがいい」で終わると、少しもったいない
子どもが「こっちのほうが安い」と言うこと、ありますよね。 わが家でも、長女との買い物の場面で出てくることがあります。
安いものを選ぶのが悪いわけではありません。 ただ、値段だけで決める癖がつくと、「思ったより使いにくかった」「すぐ飽きた」ということも起きやすいです。
だから私は、子どもに「安いほうがいい」と言われたとき、すぐに否定するより先に、「何を比べるか」を一緒に考えるようにしたいと思っています。 この“比べる”が入るだけで、買い物はかなり違って見えてきます。
わが家で比べたいのは、この3つ
1. 値段が予算に合うか
最初に見るのは、やはり値段です。 でも、ここで大事なのは「高いか安いか」だけではなく、「今の予算に入るか」です。
わが家はすでに長女のお小遣い制度を始めていて、月に1000円を渡しています。 使った日付、用途、金額をメモしてもらい、あとで親子で振り返るようにしています。 まだ小さな金額のやりくりですが、こういう積み重ねが「予算の中で選ぶ」感覚につながるのかなと思っています。
たとえば300円と500円の商品があったとします。 500円のほうがよさそうでも、そのあとに他に使いたいお金があるなら、300円のほうが合うこともあります。
子どもには、こんなふうに聞くと考えやすいです。
- これは今の予算に入る?
- これを買ったら、ほかに買えるものは減る?
- 今ほしいものとしては、どっちが合う?
値段を見ることは大事ですが、値段だけで終わらないことがもっと大事だと思っています。 「安いからいい」ではなく、「今の使い方に合うからいい」に近づける感じです。
2. 長く使えるか
安くても、すぐ壊れたり飽きたりしたら、結果的に満足しにくいことがあります。 逆に、少し高くても長く使えるなら、納得感が出ることもあります。
たとえば、毎日使う筆箱、水筒、上着のようなものは「長く使えるか」がかなり大事です。 子ども向けには、難しく言わずにこんな聞き方で十分です。
- 来年も使えそう?
- すぐこわれそう?
- 毎日使うなら、どっちが安心?
長女は見た目や好みで選びたくなることもあるので、こういう話は少し時間がかかります。 でも、時間がかかるからこそ、「安いほうを選ぶ」だけではない比較の練習になる気がします。
3. 使ったあとに満足できそうか
値段の次に見落としやすいのが、満足感です。 子どもには少し感覚的ですが、「使ってうれしいか」「持っていて気分が上がるか」と言い換えると考えやすくなります。
同じようなノートでも、表紙が好きなほうは大事に使いやすいですよね。 少し高くても、自分で選んだ実感があると、買ったあとに満足しやすいです。
ただし、満足感だけで決めるのも危ないです。 見た目は好きでも、使いにくいと結局もったいないことがあります。
なので、わが家ならこんなふうに聞きます。
- 安いほうと、好きなほう、どっちが長くうれしい?
- 見た目は好きだけど、使いにくくない?
- いちばん気に入るのはどこ?
子どもにとっては、答えをすぐ出すより、「比べる観点を持つ」ことのほうが大事だと思っています。
比較の軸は、まずこの3つで十分です。
・値段が予算に合うか
・長く使えるか
・満足感があるか
この3つがあると、「安いからこっち」で終わらず、子どもが自分で考えた感覚も残しやすくなります。
もう1つ足すなら、手入れのしやすさ
わが家で比較するとしたら、私は「手入れのしやすさ」もかなり見ます。 ここは親の負担にもつながるからです。
たとえば、洗いやすいか、拭きやすいか、乾きやすいか。 パーツが多くないか、なくしやすくないか。 こういう点は地味ですが、毎日使うほど差が出ます。
子どもには、次のように聞くと伝わりやすいです。
- 汚れたら、すぐきれいにできそう?
- 細かい部品はある?
- なくしやすそうなところはある?
たとえば水筒やお弁当箱、文房具のようなものは、使うたびに手入れのしやすさが効いてきます。 安く買えても、手入れが面倒で使わなくなるなら、あまりうれしくありません。
安さだけで決めると、あとで「使いにくい」「手入れが面倒」と感じて、結果的に満足しにくくなることがあります。
比べる項目は、増やしすぎない
比較の項目は、あれもこれもと増やしすぎないほうがよさそうです。 子どもにとっては、3つくらいがちょうどいいことが多いです。
わが家なら、まずこの3つで十分かなと思います。
- 値段が予算に合うか
- 長く使えるか
- 満足感や手入れのしやすさはどうか
会話の例をあげると、こんな流れです。
子ども「こっちのほうが安い」
親「そうだね。じゃあ、安さ以外では何を比べる?」
子ども「長く使えるか?」
親「いいね。ほかには?」
子ども「洗いやすいか」
親「それも大事だね」
こんなふうに、親が問いを少し足すだけでも、子どもの見方は広がります。
親も毎回すぐ決めなくていい
正直、親だって毎回すぐに答えが出るわけではありません。 私も「安いほうがいい」と言われると、まずはそうだよねと思いつつ、本当にそれでいいのか少し迷います。
でも、その迷いは悪いことではないのかなと思っています。 迷うからこそ、「何を見て選ぶか」を考えるきっかけになるからです。
私自身、親からお金の教育をほとんど受けてこなかったので、子どもにはその差をできるだけ小さくしてあげたいと感じています。 投資や税金も、まだ学びながらですが、家庭の中で少しずつお金の見方を伝えていきたいところです。 妻もその考えには賛成してくれていますが、主に考えているのは私のほうです。
子どもに全部を教え込む必要はありません。 親も一緒に考える姿を見せるだけで十分な場面は多いです。
- お父さんも迷うけど、何を比べるかは考えるよ
- 安さだけじゃなくて、使う場面も見たいな
- どっちが自分に合うか、少し考えてみようか
こういう言い方なら、家庭の会話として自然です。
今日からできる小さな練習
特別な買い物でなくても、日常の中で少し試せます。 次のどれか1つだけでも十分です。
- 子どもが「安いほう」と言ったら、「ほかに何を比べる?」と聞く
- 買う前に「長く使えるかな」と一緒に考える
- 「手入れしやすい?」を1項目だけ足してみる
- 買ったあとに「満足したか」も軽く振り返る
わが家では、すでに長女にお小遣いを渡しているので、たとえば文房具やちょっとした文具のような身近なものから、考え方を練習するのが合っていそうです。 一方で、次女はまだお金のことはこれから少しずつ。幼稚園では本人がお金を使って買い物をする場面は基本的にないので、まずは「お菓子を選ぶときにどう考えるか」くらいの、無理のない話からで十分だと思っています。
また、買い物の場面はお店の中だけではありません。 スーパーでのお菓子選び、ガチャガチャをしたいとき、お祭りや縁日で何に使うか、お年玉をどう残すかなど、家庭の中で話せる場面は意外とあります。 遠足前におやつを選ぶときも、金額だけでなく「量」「持っていきやすさ」「子どもが納得できるか」を一緒に見るよい機会です。
大事なのは、正しい答えを当てることではなく、比べる習慣を少しずつ作ることだと思っています。
安いほうを選ぶこと自体は、まったく悪くありません。 ただ、安さ“だけ”で決めない。
その感覚が、子どもの「選ぶ力」を少しずつ育てていくのかなと、わが家では考えています。

