「高いからダメ」だけでは、子どもには残りにくい
子どもが「あれ欲しい」「これ買いたい」と言ったとき、親はつい「それは高いからダメ」と返したくなります。 わが家でも、長女が勢いで何かを欲しがる場面では、まずこちらが身構えてしまいます。
でも、あとから考えると、「高い」という言葉だけでは子どもには少し分かりにくいことが多いです。 大人にとっては「予算に合わない」「今は優先順位が違う」「今日は買わない」という意味をまとめて言っているつもりでも、子どもにはただ「止められた」だけで終わりやすいからです。
この記事では、買えない理由を叱るのではなく、選ぶ基準を一緒に作る会話をまとめます。 値引き交渉や節約テクニックではなく、家庭の中でできる“考え方の共有”に絞って書きます。
「高い」の中身は、実はいくつかある
子どもに「高い」と伝えるとき、その意味はひとつではありません。
- 値段が本当に高い
- 今のお小遣いでは足りない
- 他に優先したいものがある
- 今は買うタイミングではない
- 似たものが家にあるので、急いで買う必要はない
大人はこのあたりをまとめて「高い」と言いがちですが、子どもには少し分けて伝えたほうが通じやすいです。
たとえば長女が何かを欲しがったとき、わが家ならこんな言い方をします。
> 「それは今のお小遣いだとちょっと重いね」 > 「買うなら、ほかに何をやめるか考える必要があるかも」
この言い方にすると、「ダメ」と切るのではなく、 何かを選ぶと、何かを先送りにすることになる と伝えやすくなります。
子どもには「高い」という一言だけで終わらせず、 「今のお小遣いでは足りない」「今は優先順位が違う」など、 できるだけ意味を分けて伝えると考えやすくなります。
わが家では「買えない」より「何を優先するか」を話す
長女は月1000円のお小遣いをもらっていて、使った日付・用途・金額をメモしています。 そのため、欲しいものを見つけたときも、ただ「欲しい」で終わらず、少し立ち止まる場面があります。
たとえば、スーパーやお店で文房具やちょっとした小物を見て「これ高い」と感じたときは、こんな会話になることがあります。
> 親:「これを買ったら、今月のお小遣いはどのくらい残るかな」 > 子:「うーん、少ししか残らないかも」 > 親:「じゃあ、今いちばん欲しいのはこれ? それとも別のもの?」 > 子:「こっちも欲しい」 > 親:「じゃあ、どっちを先にするか考えようか」
ここで大事なのは、親がすぐ結論を出しすぎないことです。 子どもが自分で比べる時間を少し持つだけで、買い物の見え方が変わることがあります。
長女はわりとムダ遣いが多いタイプなので、毎回うまくいくわけではありません。 「やっぱりあっちにしておけばよかった」となることもあります。 でも、あとから振り返る経験も含めて、お金の教育だと考えています。
「高い」と言う前に、3つだけ聞いてみる
子どもが欲しがったとき、すぐに「高い」と返す前に、3つだけ確認すると会話が変わります。
1. それは何に使うもの?
> 「これは何をするものなの?」 > 「どこで使いたいの?」
用途がわかると、ただの“欲しいもの”から、必要性のあるものかを考えやすくなります。
2. 今すぐ必要?
> 「今日じゃないとだめ?」 > 「あとででもいい?」
すぐ必要なものと、少し待てるものでは考え方が変わります。 子どもにも「今じゃなくてもいい」という感覚が少しずつ育つと、欲しい気持ちに流されにくくなります。
3. 何をあきらめることになる?
> 「これを買ったら、他に何が買えなくなるかな」 > 「今月は何を後にする?」
これは少し難しいですが、予算の感覚に近づく質問です。 “買うか買わないか”だけでなく、“何を選ぶか”の話に進みます。
親が避けたい言い方もある
親としては言いたくなるのですが、次のような言い方はできれば避けたいところです。
- 「そんなの高いに決まってるでしょ」
- 「無駄だからやめなさい」
- 「どうせすぐ飽きるよ」
こうした言い方は、子どもにとっては「欲しいと言うこと」自体が言いにくくなることがあります。 お金の話が、叱られる話ばかりになるのは少しもったいないです。
わが家としては、買えないこと自体よりも、どう考えて決めるかを残したいと思っています。
「高いに決まってるでしょ」「無駄だからやめなさい」のような言い方は、 子どもが“欲しい”と伝えること自体をためらう原因になりやすいので注意が必要です。
会話は長くなくていい。短くても軸が残れば十分
子どもとのお金の会話は、長く説明するほど伝わるわけではありません。 むしろ、短くても「考える軸」が残るほうが大事だと感じます。
たとえばこんな言い方
- 「それは今の予算だと少し重いね」
- 「今日は買えるけど、そうすると他のものは難しいね」
- 「本当に今ほしいものか、一回考えてみようか」
- 「高い・安いより、今のわが家でどう選ぶかだね」
- 「次のお小遣いまで待てそうかな」
こういう言い方なら、値段を怖いものとして見せるのではなく、選ぶための言葉として使えます。
こんなふうに会話が終わることもある
> 親:「今すぐ必要?」 > 子:「うーん、すぐじゃない」 > 親:「じゃあ、今日は見ておくだけにする?」 > 子:「うん、また今度」
このくらい短くても、「買わない」という選択肢を自分で持てるようになります。
わが家では「お小遣いの残り」を一緒に見る
長女は月1000円のお小遣いを使っているので、残りがいくらあるかを見ることがあります。 これがあると、「高い」という感覚が、ただの印象ではなく、残りとの関係で考えやすくなります。
たとえば、
> 「今これを買ったら、残りはいくら?」 > 「来月までに欲しいものはある?」 > 「それなら今回は見送る?」
という流れです。
ポイントは、親が金額だけを盾にして止めるのではなく、 子ども自身が「今の自分には合うか」を確かめることです。
たとえば、お祭りやガチャガチャではどう考えるか
「高いかどうか」を子どもに伝える場面は、スーパーやお店だけではありません。 わが家だと、たとえばお祭りや縁日、ガチャガチャの前でも似た会話になります。
お祭りの屋台は、普段より少し高く感じることがあります。 そのときに「ダメ」とだけ言うより、
> 「今日はお祭りだから特別だけど、何回も買うとすぐ終わるね」 > 「1つだけにする? それとも見るだけにする?」
と話すほうが、子どもにはイメージしやすいです。
ガチャガチャも同じで、1回の金額は大きくなくても、何回もやるとあっという間にお金がなくなります。 長女のように、あとで「もう少し考えればよかった」となることもあるので、 “1回だけにする”のか、“今日はやめる”のか を一緒に決めるだけでも練習になります。
次女には、まだ「高い」は難しいけれど
次女は5歳で、まだまだお金そのものがよく分かっていません。 だから、無理に金額の話をしても、あまり入っていない感じがあります。
そのため、次女には「高い」というより、
- 「今日は1つだけね」
- 「おうちにあるものもあるよ」
- 「また今度にしようか」
くらいの、シンプルな言い方のほうが通じやすいです。 年齢によって、同じお金の話でも伝え方を変える必要があるなと感じます。
「高い」は、親子で選ぶきっかけにできる
私自身、親からお金の教育をほとんど受けずに育ちました。 だからこそ、子どもにはお金の話を“ダメ”で終わらせたくないと思っています。
妻もお金の教育に反対ではなく、基本的には賛成してくれていますが、主に考えているのは私のほうです。 私としては、子どもが「欲しい」と言ったときに、その気持ちをただ止めるのではなく、どうやって選ぶかを少しずつ覚えてほしいと思っています。
もちろん、親も毎回きれいに答えられるわけではありません。 「これは高い」と言いながら、本当は私自身が迷っていることもあります。 でも、その迷いを隠さずに、どう選ぶかを一緒に考えるほうが、子どもには伝わりやすい気がします。
まとめ:子どもには「買えない理由」より「選び方」を渡したい
子どもに「これは高い」と伝えるとき、いちばん大事なのは、 高いか安いかを教えることより、何を基準に選ぶかを一緒に作ることだと思います。
親子の会話は、たとえばこんな形で十分です。
> 「それは今の予算だと少し重いね」 > 「じゃあ、今いちばん大事なのはどれかな」 > 「今日は買わずに、また今度にする?」
この短い会話でも、子どもにとっては「お金の話を一緒に考えた」経験になります。 そして親にとっても、「ダメと言うしかない」状態から少し抜けやすくなります。
わが家もまだ試行錯誤ですが、子どもに伝えたいのは 「高いから我慢しなさい」ではなく、「限られたお金の中で、何を大事にするか一緒に考えよう」 ということです。

