子どもに「なんのために働くの?」と聞かれたら、どう返すのが良いのか

子どもに「なんのために働くの?」と聞かれたら、わが家ならこう返す お金の教育

子どもの「なんのために働くの?」は、けっこう深い

子どもに「なんのために働いているの?」と聞かれました。

私は一瞬考えます。 「お金のため」と言えば間違いではないけれど、それだけだと少し足りない気もする。 「人の役に立つため」と言うのも、きれいすぎて実感がない。

大人は、そんなに単純に働いているわけではありません。 お金が必要だから働く。家族を支えたいから働く。自分の力を試したいから働く。誰かの役に立てたらうれしいから働く。 たぶん、いくつもの理由が混ざっています。

わが家では、長女がお小遣いをもらって、使った日付・用途・金額をメモして、あとで親子で振り返っています。 月に1000円という金額でも、少しずつ使い方のクセが見えてきます。 長女はわりと勢いで買ってしまうこともあるので、「本当に欲しかったのか」「次まで待てたか」を一緒に見返すことがあります。 そうしていると、子どもは少しずつ「ほしいものを買う」「残す」「考えて使う」という感覚を持ち始めます。 だからこそ、働く意味も、ふわっとした理想論ではなく、家庭の言葉で返したいと思うようになりました。

この問いに対して、親が立派な正解を教える必要はないのかもしれません。 むしろ大事なのは、親自身が「自分は何のために働いているんだろう」と一度棚卸ししてみること。 そのうえで、子どもの年齢に合わせて、短く返すことだと思っています。

まずは親の働く理由を、きれいにしすぎず並べてみる

働く理由は、1つに絞らなくていい。 私自身も、実際にはいくつかの理由が重なっています。

わが家なら、たとえばこんな感じです。

  • 家族の生活費をまかなうため
  • 子どもたちに安心して暮らしてもらうため
  • 自分の力で誰かの役に立つため
  • 仕事を通じて成長したいから
  • 将来に備えたいから
ポイント
「お金のため」だけではないけれど、「お金がいらない」という話でもない。

こうして並べると、「お金のため」だけではないけれど、「お金がいらない」という話でもないと分かります。 このバランスを親が自分の言葉で理解しておくと、子どもに聞かれたときに落ち着いて返しやすくなります。

私は親から、お金や働くことについてほとんど教わらずに育ちました。 だからこそ、子どもにはその差を埋めたい気持ちがあります。 ただ、最初から“正しい答え”を渡そうとすると、かえって言葉が硬くなる気がします。 親も考えながら話すくらいが、家庭ではちょうどいいのかもしれません。

仕事の意味は、1つの言葉に押し込めない

「働く理由」は、人によってかなり違います。 会社員として働く人もいれば、個人で仕事をする人もいる。 家族の事情、住んでいる地域、体力、得意不得意でも変わります。

私自身はIT系の仕事で一人法人として働いていますが、仕事の意味は毎日同じではありません。 生活のために頑張る日もあれば、誰かに喜んでもらえたことがうれしい日もある。 逆に、しんどいだけの日もあります。

だから、子どもに対しても「働くってこういうもの」と1つに決めつけないほうがいい。 働く意味は、少し幅を持たせて伝えるほうが、あとで子ども自身が考えやすくなります。

「お金のため」だけでは足りないけれど、外してもいけない

子どもに説明するとき、働く意味をきれいに言いすぎると現実から離れます。 でも、お金の話を避けすぎると、仕事と生活のつながりが見えなくなります。

私は、こういう言い方なら自然かなと思っています。

> 仕事をするとお金が入る。
> そのお金で、ごはんを食べたり、住む場所を守ったり、必要なものを買ったりできる。
> でも仕事は、お金をもらうだけじゃなくて、誰かの助けになったり、自分の力を使ったりすることでもある。

この言い方なら、働くこととお金の関係を隠しません。 同時に、「お金だけが目的」とも言い切らない。 子どもにも、大人の仕事観としてはこのくらいの温度感のほうが伝わりやすい気がします。

長女のように、お小遣いで「何を買うか」を少しずつ考える年齢になると、親の仕事と家庭のお金のつながりも気になってくるはずです。 そのときに、「お金は暮らしを支えるけれど、仕事の意味はそれだけじゃない」と伝えられると、話が少し立体的になります。

子どもに聞かれたら、まずは短く返して、あとで足す

突然の質問に、長い説明はたぶん入りません。 わが家なら、まずは短く返して、子どもが興味を持ったところだけ少し広げると思います。

たとえば、こんな会話です。

子ども「なんのために働くの?」
「家族が暮らすお金を用意するためでもあるし、誰かの役に立つためでもあるよ」
子ども「じゃあ、なんでパパは働いてるの?」
「家族の生活を守りたいのと、自分の仕事で人の助けになれたらうれしいからかな」

このくらいの短さで十分です。 大事なのは、親が“きれいな答え”を出すことではなく、自分の本音を少し混ぜることだと思います。

年齢で返し方を変える

同じ質問でも、年齢によって伝え方は変わります。

  • 小さい子には「おうちで暮らすお金を用意するためだよ」
  • 小学生には「お金だけじゃなく、誰かの役に立つ仕事もあるよ」
  • もう少し大きくなったら「自分は何を大事にして働きたいか」も話す

次女はまだお金の感覚がこれから育つ段階なので、難しい話は必要ありません。 一方で長女は、お小遣いの記録を見返しながら「買ってよかった」「次はやめておこう」と考える場面が少しずつ増えています。 たとえば、スーパーやコンビニでお菓子を前にして迷ったり、ガチャガチャを見て「今使うか、次にするか」を考えたりすることもあります。 同じ家庭でも、子どもの理解度に合わせて言葉を変える必要があります。

わが家なら、仕事の話を家計の話に少しだけつなげる

仕事の意味を話すとき、家計の細かい数字を子どもに見せる必要はないと思っています。 ただ、「働く → お金が入る → 暮らしが成り立つ」という流れは、少しずつ伝えたいところです。

たとえば、休日の買い物のあとなら、こんな会話ができます。

  • 「今日は必要なものを買ったね」
  • 「お金は使ったら終わりじゃなくて、何に使うかが大事だね」
  • 「パパも働いて、こういう暮らしを続けられるようにしているんだよ」

長女には、すでに月1000円のお小遣いを渡しています。 使った日付・用途・金額をメモして、あとで振り返る。 このやりとりをしていると、子どもは少しずつ「ほしいものを買うこと」と「お金を守ること」の両方を覚えていくように感じます。

もちろん、本人はまだまだムダ遣いが多いです。 でも、それでいい面もあると思っています。 失敗したな、と感じた経験があってこそ、次に「待つ」「比べる」「本当に必要か考える」に進みやすいからです。 親としてはつい止めたくなりますが、全部を先回りせず、少しずつ振り返るくらいが今のわが家には合っています。

働くことの話も、これと似ています。 使うだけではなく、どうやって入ってきて、どうやって家庭を支えているのか。 その入口として、仕事の話はかなり相性がいいです。

注意点
働くことを美化しすぎると、子どもは「大人はいつも余裕そう」と誤解するかもしれません。

注意したいこと

ここで気をつけたいのは、働くことを美化しすぎないことです。 仕事は楽しいことばかりではありません。しんどい日、気が進まない日、思ったようにいかない日もあります。 それを全部隠してしまうと、子どもは「大人はいつも余裕そう」と誤解するかもしれません。

ただし、愚痴をそのままぶつける必要もない。 「大変なこともあるけれど、家族の生活のために続けている」 このくらいの温度が、家庭ではちょうどいいと思います。

今日からなら、親の言葉を1つ決めるだけでいい

この記事でいちばん伝えたいのは、立派な答えを準備しなくてもいい、ということです。 まずは、自分にいちばん近い一言を1つ持っておけば十分です。

たとえば、こんな言い方があります。

  • 「暮らしに必要なお金を得るためだよ」
  • 「家族を支えるためでもあるよ」
  • 「誰かの役に立てるとうれしいからだよ」
  • 「自分の得意を使って働いているよ」

この中から、今の自分に合うものを選べばよいと思います。 無理に模範解答を作る必要はありません。 むしろ、親が少し迷いながら話すほうが、子どもには自然に伝わることもあります。

そして、子どもに聞かれたときは、答えを出して終わりにせず、こんなふうに続けてもいい。

  • 「○○はどう思う?」
  • 「パパはこう思うけど、他にも理由があるかもね」
  • 「お金のためだけじゃないけど、お金も大事なんだよ」

正解を教える場にしない。 親自身の働く理由を見直して、会話のきっかけにする。 それが、この問いへのいちばん現実的な返し方だと思っています。

迷いながら話すこと自体が、子どもへの教育になる

子どもからの「なんのために働くの?」は、親にとって小さくない質問です。 でも、完璧に答える必要はありません。

親自身が、

  • お金のため
  • 家族のため
  • 誰かの役に立つため
  • 自分らしく生きるため

このあたりを一度並べてみる。 そのうえで、子どもの年齢に合わせて短く返す。 それだけでも、家庭の会話はかなり変わるはずです。

わが家でも、きっとこれから何度も同じ質問をされると思います。 そのたびに少しずつ言い方は変わるでしょう。 でも、親として考え続けること自体が、子どもへのお金の教育の入口になる。 今はそんなふうに感じています。