教育資金の準備、どうしていますか?
わが家では、子どもが生まれてからずっと「学資保険ではなく、積立投資で教育資金を準備していこう」と考えてきました。実際に現在、子ども用の未成年総合口座で毎月コツコツと積立投資を続けています。
学資保険より積立投資で教育資金準備しましょうの記事はコチラ↓
そんな中、ふと思ったことがあります。
「親のNISA口座って、全然満額まで使えていないけど、これって子ども名義で積立するより、親のNISA口座で積立した方が税制的にはお得なんじゃないか?」
今回は、そんな自分自身の気づきと疑問をもとに、子ども名義で投資をするメリット・デメリット、親のNISAとの比較、そして我が家が最終的に選んだ方法と理由について、リアルな視点でまとめてみたいと思います。

我が家の投資設定(親・子どもそれぞれ)
まずは、現在の我が家の積立設定です。家族それぞれで口座を持ち、月々決まった額を積み立てています。
父(筆者)
- NISA(つみたて投資枠/成長投資枠合計):50,000円/月
- iDeCo:23,000円/月
母(妻)
- NISA(つみたて投資枠/成長投資枠合計):50,000円/月
長女(小2)
- 特定口座:20,000円/月
次女(未就学児)
- 特定口座:15,000円/月
※子どもは2人ともジュニアNISAに2年間合計160万円積立済み・運用中
※次女の積立額が長女より少ないのは現預金がまだまだ少ないので、現預金にも少し回しているため
このように、親も子もそれぞれの口座で積立投資をしています。子どもたちの口座は未成年用の特定口座で、すべて親が代理で運用・管理しています。

なぜ子ども名義で投資しているのか?
「子どものお金は、子どもの名義で」
そんな気持ちから、我が家では児童手当やお祝い金などを原資に、子ども名義での投資を始めました。
現預金の口座も子ども用は子ども名義で分けてます。
理由は主に以下の3つです。
- 教育資金を明確に“分けて”管理したい
→ 家計と混ぜずに目的別に可視化できる - 金融教育にもつなげたい
→ 将来、子どもと一緒に資産状況を見ながら話ができるようにしたい - 就職時の自立資金として残したい
→ (教育資金で余れば)就職時に「自分の資産」として渡してあげたい
ただし、「あくまで子どものために」「明示的に分けておきたい」という気持ちが強すぎた結果、
税制の面で損していないか?という疑問に最近ぶつかりました。
というより、多分損してるだろうなと思ってます。
ふと気づいた「NISA枠、使いきれてない…」
我が家では4人ともクリエイト・レストランツ・HD(3387)の株を保有してます。優待のためです。
私と妻はNISA口座で、子どもは特定口座で購入してます。
この株は配当金も支払われるのですが、支払額を見て税金かかるよなぁ…と改めて感じました。
そもそも親のNISA口座がまだ全然満額まで使えていないという状況です。
なのに、子どもの課税口座では毎月2万円、1万5千円とそれなりの額を積み立てている。
これって冷静に考えると、非課税のNISA口座を優先すべきなのでは?
とくに最近は「新NISA」で非課税枠が拡大されたこともあり、制度の活用余地はさらに広がっています。
親NISAと子ども名義の特定口座、どちらが得?
ここで、親のNISAと子どもの課税口座(特定口座)を比較してみました。
特に「だれ」名義かによって使いやすさ(引き出しやすさ)も注意が必要です。
項目 | 親(NISA口座) | 子(特定口座) |
---|---|---|
税制 | 非課税(運用益・配当) | 課税あり(約20%) |
引き出し自由度 | 親がいつでも自由に使える | 原則として子の名義資産(自由に使いにくい) |
名義管理 | 親の資産として一元管理 | 子名義で贈与税のリスクもあり |
奨学金への影響 | 所得に含まれない | 子の所得扱いとして影響する可能性 |
金融教育 | 家計の一部で説明 | 子自身の資産として話しやすい |
ざっくり言えば、教育資金として“確実に使いたい”なら、親のNISA口座の方が圧倒的にお得です。
特に、運用益に対する20%の税金がかからないというのはかなり大きなメリット。
一方で、子ども名義にすることで、「見える化」「分かりやすさ」「自立心の芽生え」につながるという非金銭的な価値もあると感じています。
税制面の懸念:知っておきたい注意点
では、子ども名義で投資を続ける場合、どんなリスクや注意点があるのでしょうか?主に以下のような点です。
● 贈与税のリスク
毎年110万円を超えて資金を移すと、贈与税の対象になります。
たとえ親が「児童手当を原資に」と思っていても、税務上は贈与と見なされる可能性があります。特に長年積立を続けて、まとまった額になったときが要注意です。
一方で、親が教育資金として使用する場合には非課税枠がありますので、実際には問題にならないケースがほとんどです。
きちんと子どもにも口座の存在を話、贈与された意思をもってもらうことが大事です。なかなか子どもが小さいころは難しいかもしれませんが、重要なポイントになるっぽいです。
● 奨学金や補助制度への影響
制度にもよりますが、子どもの名義で資産があると、将来、奨学金の所得制限や補助制度の判定に影響する可能性があります。
つまり「資産がある=自助努力できる」と見なされ、支援が受けにくくなるリスクです。
● 利益に対する課税
当然ながら、子どもの特定口座では運用益に約20.315%の課税があります。
非課税であるNISAと比べると、10年、15年運用したときの差は決して小さくありません。
また、金融資産に対する課税の話も出てきています。今のところNISA口座に対する課税はありえないと思いますが、特定口座の場合は不安です。NISAを活用するなら早めに移行しておいたほうが良さそうです。
● 名義の管理と制限
未成年口座の資産は法律上、子どものものです。親が「勝手に引き出して使う」ことは原則できません。
純粋に教育資金であれば問題ないですが、何にお金が必要になるかわかりません。
あまり無いとは思いますが、一応18歳を過ぎると子ども自身が自由に使えるようになるので、やさぐれたら教育資金として使ってくれるとは限らないという不安もあります。取り上げたりもできないです。
それでも我が家が「子ども名義の投資」を続ける理由
ここまでいろいろと課題を挙げてきましたが、それでも我が家では、引き続き子ども名義の特定口座での積立を継続するつもりです。(今のところ…)
理由はシンプルです。
「お金が“誰のものか”を、子どもが意識できるようになってほしいから」
子どもが大きくなったとき、自分名義の口座に毎月積立されてきたお金があることを知れば、それはきっと自分の人生と向き合う機会になると思っています。
とはいえ、現時点で親のNISA枠が空いていることも確か。今後は、親NISAと子口座の併用をもう少し柔軟に考えていくつもりです。
- 毎月の積立額を親NISAに寄せる
- 子口座はあくまで「見せ金」として少額維持する
- 将来的にはNISA満額→子口座への移行も検討
など、家庭の状況に応じて調整しながら、最適解を探していけたらと思っています。
まとめ:得か損かは「目的」で変わる。我が家なりの選択。
「子ども名義での投資は得か?損か?」
この問いに対する正解は、家庭によって違います。
- とにかく税金を抑えて効率よく教育資金を用意したいなら、親のNISAを最優先
- 金融教育や資産の「可視化」を大事にしたいなら、子ども名義も価値がある
- 両方の良さをバランスよく取り入れたいなら、ハイブリッド運用がベター
わが家もまだ、試行錯誤の途中です。
また積立額や投資方針に変更があれば、実践レポートとして記事にしていきたいと思います。
教育資金の準備を通じて、子どもたちとお金の話をする機会が少しでも増えること。
それこそが、「お金の教育」の第一歩かもしれません。