預金と学資保険と積立投資でどのくらい差がつくのかチェックしてみます。
毎月3万円の積立でどのくらい貯まる?
子どもがいると、子どものための貯金的なものを各ご家庭で行われていると思います。額は様々ですが、現実的に子どもの教育資金として月々に家計から捻出できる金額は概ね1~3万円くらいが一般的だと思います。
現在は児童手当があるため、月に1万円が国から支給されるので、児童手当1万円+家計から2万円の合計3万円くらいが妥当かなと考え、毎月3万円の前提にしてます。
※子ども2人なら、合計6万円です。
シミュレーション条件
▼基本
毎月積立:3万円
利率 :0.5% (最新の銀行の利率のうち、良さげな利率を想定)
積立期間:10年0ヶ月と18年0ヶ月
利息計算:複利
複利周期:1ヶ月
▼課税
預金積立:毎月利息発生、都度課税
学資保険:一時所得、仮で所得税10%、住民税5%で計算(親が支払、親が受取)
積立投資:最終売却時に課税、資産クラスは株式(投資信託)を想定
※預金と積立投資で使ったシミュレーションサイト:https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/sikin/menu/s_tumitate.html
下記の、
・赤字部分が実際に手元に残る(税引後)利益です。
・黄色線部分が実際に手元に残る(税引後)合計金額です。
預金で積み立てた場合(利率0.5%)
銀行の普通預金や定期預金にコツコツ積み立てた場合です。
最近は利率が上がったとはいえ、やっぱり利息はほとんど期待できません。
とはいえ元本保証なので、リスクを避けたい方には安心です。
- 10年積立(120回)
3万円 × 120 = 360万円(元本)
利息(税引前):91,902円
利息(税引後):73,245円
合計 :3,673,245円 - 18年積立(216回)
3万円 × 216 = 648万円(元本)
利息(税引前):299,948円
利息(税引後):239,058円
合計 :6,719,058円
特に、預金の利息は確定のたびに税引されるのが痛いですね。
学資保険の場合
学資保険は会社にもよると思いますが、一旦ソニー生命で試算します。
最近返戻率が上がったようなので。
ソニー生命の学資保険シミュレーション:https://www.sonylife.co.jp/gakushi-plan/simulate/simulation
■シミュレーション条件
月払い :3万円
保険期間:18年満期
払込期間:10年 と 18年
子どもの生年月日:2025年4月2日
親の生年月日 :1995年4月2日
- 10年払込(120回)
月々払込:29,315円
払込合計:3,517,800円
満期受取:4,100,000円
返戻率 :116.5%
一時所得:4,100,000円 – 3,517,800円 – 500,000円(特別控除) = 82,200円
課税額(仮):82,200円 * 1/2 * 15% = 6,165円
返戻金 – 元本(税引前):582,200円
返戻金 – 元本(税引後):576,035円
受取(税引後):4,093,835円 - 18年払込
月々払込:29,749円
払込合計:6,425,784円
満期受取:7,100,000円
返戻率 :110.4%
一時所得:7,100,000円 – 6,425,784円 – 500,000円(特別控除) = 174,216円
課税額(仮):174,216円 * 1/2 * 15% = 13,066円
返戻金 – 元本(税引前):674,216円
返戻金 – 元本(税引後):661,150円
受取(税引後):7,086,934円
※年払いや受取方法等、より返戻率を上げる方法はあると思います。
積立投資の場合(年利3%想定)
利回り3%での運用を想定すると、複利の効果で増え方が変わってきます。
- 10年積立(年3%)
3万円 × 120 = 360万円(元本)
利益(税引前):590,116円
利益(税引後):470,233円
合計 :4,070,233円 - 18年積立(年3%)
3万円 × 216 = 648万円(元本)
利益(税引前):2,037,746円
利益(税引後):1,623,777円
合計 :8,103,777円
積立投資の場合(年利5%想定)
より高い利回りを得られた場合は、さらに大きく成長します。
- 10年積立(年5%)
3万円 × 120 = 360万円(元本)
利益(税引前):1,039,654円
利益(税引後):828,604円
合計 :4,428,604円 - 18年積立(年5%)
3万円 × 216 = 648万円(元本)
利益(税引前):3,770,221円
利益(税引後):3,004,866円
合計 :9,484,866円
比較まとめ
■10年の場合
預金 | 学資保険 | 積立(3%) | |
---|---|---|---|
利益 | 73,245円 | 576,035円 | 470,233円 |
メリット | 元本保証 いつでも使える(定期はNG) | 元本保証 死亡保障 | 効率的 いつでも使える |
デメリット | 増えない。増えなさすぎ。 | 満期(18歳)までは使えない 途中解約で元本割れ | 元本割れ 本当に使いたいタイミングでも相場次第で下がる |
■18年の場合
預金 | 学資保険 | 積立(3%) | |
---|---|---|---|
利益 | 239,058円 | 661,150円 | 1,623,777円 |
メリット | 元本保証 いつでも使える(定期はNG) | 元本保証 死亡保障 | 効率的 いつでも使える |
デメリット | ホントに増えない | 途中解約で元本割れ | 元本割れ 本当に使いたいタイミングでも相場次第で下がる |
どれが自分に合っているか
結局のところはリスク許容度になると思います。
リスクを取れればリターンは期待できます。
預金は確かに増えませんが、いつでも自由に使えます。
学資保険は途中解約さえ無ければ確実に増えます。
ただ、上記の2つは基本的にインフレ対策になりません。
個人的には、インフレ対策ができていないことの方が投資による元本割れリスクよりも遥かにリスクがあると考えています。
2022年以降の世界経済のインフレを目の当たりにし、生まれてからインフレを経験したことがなかったので衝撃でした。
もちろん択一ではないので、併用されている方も多いと思います。
いずれにしても積立は早く始めた方が有利な理由
「毎月3万円なんて大した額じゃない」と思うかもしれません。でも、積立で重要なのは金額よりも期間です。
これは学資保険でも、投資でも同じです。特に投資では期間をより長く取れることが重要です。
たとえば…
- 0歳から始めて18年間
→ 年3%でも810万円に - 小学校入学後の6歳から始めた場合
→ 12年で約500万円
6年違うだけで、300万円以上の差が出ることになります。
これは「複利の力」が時間を味方にするから。できるだけ早くスタートすることで、将来の安心感がぐっと高まります。
積立方法の選択肢と注意点
預金・学資保険の活用
- メリット: 元本保証、計画的な引き出し(年ごと受取など)が可能
- デメリット: 利率が悪い、途中解約で元本割れリスクあり
「元本割れが怖い」「投資に自信がない」という方には、預金や学資保険という選択肢もあります。
NISAなど投資制度の活用
- メリット: 非課税で資産が増やせる可能性あり、長期運用に向いている
- デメリット: 元本割れの可能性がある、投資先の選定が必要
我が家でも「ジュニアNISA(※現在新規は不可)」を活用しており、投資信託に分散して積み立てています。2024年からは新NISA制度が始まり、教育資金にも柔軟に使いやすくなっています。
子どもの年齢に応じた「始めどき」
子どもの年齢 | おすすめの積立方針 |
---|---|
0〜3歳 | 長期運用を前提に投資中心でもOK |
4〜6歳 | バランス型、途中取り崩しも想定 |
小学生〜中学生 | 教育費のピークを意識して計画的に積立 私立中学の費用想定に入るかどうかで大きく変わる |
高校生 | 預金や短期型の運用に切り替え |
我が家のケース:実際にやっていること
我が家では現在、子ども2人に毎月3万円ずつ積み立てを行っています。
口座は子ども名義、管理は親で、将来的な教育費に備える方針です。
- 運用方法: 新NISA口座(成長投資枠)で投資信託を積立
- 積立開始年齢: 長女5歳から、次女2歳から
- 目標:大学進学18歳時にそれぞれ1000万円以上を目指す
途中で積立額を増やせるかもしれませんが、まずは「継続すること」を優先しています。
運用成績や投資銘柄については毎月のレポート記事をご覧ください。
まとめ:できるだけ早く、できることから始めよう
「将来のために今からできること」を始めてみましょう
教育費の準備は早く始めるほど有利
子どもが生まれたらすぐ積立を始めましょう。
毎月3万円でも、18年積めば800万円以上になる可能性も。
預金か投資か、家庭の考え方に合わせて選択を。
家計的に余剰が無い場合は、児童手当だけでも積立投資にまわして行くのもオススメです。
今は2ヶ月に一回児童手当が振り込まれるので、下記の手順で放置でOKです。
・子供用の証券口座を開設(楽天証券などで未成年総合口座を解説)
・児童手当の振込先口座(親名義)から、毎月1万円を子ども名義の口座に定期振込設定
・子ども名義の口座から、毎月1万円を積立投資設定(S&P500でも、TOPIXでも、インデックスなら)
3歳までは1万5000円もらえたりするので厳密には違いますが、上記設定をした場合で、年利3%で運用すると、18歳になるまで放置で2,701,292円(税引後)になります。自分自身は1円も出していないのにです。
教育資金の概ねの目安は下記の記事に纏めていますのでこちらもどうぞ。